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本のない書斎/中身のない研究

「赤いカブトムシ」 江戸川 乱歩

 

江戸川乱歩という名前はもちろん知っているのだが作品を読んだことはない。興味を惹かれるタイトルが並ぶが、とりあえずいちばん上にあった「赤いカブトムシ」を読んでみた。約2万字の短編だが、ひらがな表記が多いので、実際はもっと少なく感じる。

 

何の予備知識もなく読み始めたが、これはどうやら児童向けの物語のようだ。ストーリーは子供だましのようだが、なかなかどうして、これが面白いのである。語り口が良い。夢野久作しかり、先日の佐藤紅緑しかり、どうやらわたしは古い子供向け作品が好きなようである。

 

「赤いカブトムシ」というホラーのようなタイトルだが、内容はといえば、「まほうはかせ」なる人物と「しょうねんたんていだん」とが赤いルビーでできたカブトムシをめぐって「ちえくらべ」をする、というもの。この「まほうはかせ」というのも敵役というわけではないようだ。まほうはかせとの関係は、なんというか、児童文学にはよくある感じなのだが、大人になってみると何と説明して良いものかよく分からない。

 

「明智探偵」「少年探偵団」「小林少年」というワードは聞いたことがあったが、このようなテイストの作品というのは少々意外だった。ポップでナンセンス、「かいけつゾロリ」シリーズのような印象を受けた。青空文庫にも初出が「たのしい三年生」とあるので本当に子供向けなのだろう。

 

シリーズものということで、作中に以前のエピソードなども登場するのだが、さして問題なさそうなので順番は気にしないで読むことにする。

 

 

図書カード:赤いカブトムシ

 

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