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本のない書斎/中身のない研究

「ボヘミアの醜聞/ボヘミア王のスキャンダル」 A Scandal in Bohemia アーサー・コナン・ドイル

 

『シャーロック・ホームズの冒険』中の一作。

青空文庫の説明によると、ドイル自身の評価も高く、読者にも人気の作品なのだそう。

 

ボヘミアの醜聞、タイトルに覚えはなかったが、「アイリーン・アドラー」という人物はよく覚えている。子供の頃に読んだものだが、なぜ覚えているかというと、独身だと思っていたシャーロック・ホームズが実は結婚しており、その相手がアイリーン・アドラーだったからである。

 

作品を読んだ方はお分かりだと思うが、これは間違いだ。

 

なぜそのような勘違いをしたか分からないが、これまでずっとそう思い込んでいた。子供ながらに「シャーロック・ホームズが結婚している」ということが意外に感じたのでよく覚えていたのだ。そのうえ、アイリーン・アドラーは危機的状況にあり、シャーロック・ホームズは彼女を助けるため籍を入れたが、そのあとは別居している、というストーリーを勝手に補完していた。驚いた。全然そんな話ではなかった。まあ、近いところでは、「立会人がいないために結婚が成立しなくて困っている」彼女を助けて、「結婚の立会人を務める」という場面はあったのだが。

 

さて、ボヘミア王のスキャンダルというストーリーは覚えていなかったが、ホームズが火事を偽装し、アイリーン・アドラーが隠していた写真を取り出すように仕向けたことは覚えていた。ストーリーは覚えていなくても、ある場面だけ覚えている、というのはよくある。

 

「陛下は僕にとってもっと価値のある物をお持ちです。」と彼女の写真を所望するホームズに、ルパン三世「カリオストロの城」の銭形警部の台詞、「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」を思い出した。

 

短くあっさりした作品だが、良かった。ホームズも失敗することがあり、しかもそれは彼女のような女が相手であるというのはなかなか素敵ではないか。

 

追記

「橙の種五粒」で、ホームズはこれまでに4回失敗したと語っている。3回は男性、1回は女性とのこと。

 

 

図書カード:ボヘミアの醜聞

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