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本のない書斎/中身のない研究

「黄金虫」THE GOLD-BUG エドガー・アラン・ポー

 

ポーの作品は「モルグ街の殺人事件」と「黒猫」を読んだことがある。

漢字を書いたうえで外国語のルビを振る、というスタイルが翻訳ものの雰囲気を出していて良い。

 

風変りな友人が拾った羊皮紙は、いわゆる「宝の地図」だった。

あるきっかけからこのこと発見をした友人は、ひとりでその研究に没頭していく。

すっかり気が触れたような彼の奇行に、使用人は「黄金虫にかまれたせいだ」と言う。

実際には違うのだが、黄金虫こそそのとんでもない発見のきっかけであった。

 

友人のため奇妙な冒険を手伝うことになった語り手と使用人。財宝のことなど一切あずかり知らぬ彼らには、友人はすっかり狂ってしまったように思えた。しかし最後には友人の考えたとおりの場所に財宝を発見する。

 

目新しいストーリーではない。ただ、今日の作品がこの頃の作品をベースに発展してきたとすれば、「普通である」という評価はおそらく見当違いなのだろう。実際のところはわからないが。

 

「宝の在り処を示す暗号」の解き方も、ひらめきではなくあくまで冷静な解読。 海賊の財宝などというのはあまり肌で感じられる話題ではないが、この暗号の様式には妙にリアリティがある。

 

 

図書カード:黄金虫

 

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