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本のない書斎/中身のない研究

「二銭銅貨」 江戸川 乱歩

 

青空文庫の江戸川乱歩作品も9つ目。少しずつ傾向が見えてきた。「二銭銅貨」には、これまでに読んだ乱歩作品の特徴が様々感じられた。

 

9つ目といってもこれまで読んだ中には子供向けの作品や随筆も含むから、ここで挙げるのは「赤い部屋」「一枚の切符」「恐ろしき錯誤」の3作品である。これらの作品からわたしが感じる特徴は、「ドンデン返し」「示唆的なラスト」「ある事実に対する異なる解釈」「嘘や冗談や演技」「過去の事件」などである。すべての作品にすべての要素があるわけではない。しかしこれらの特徴に、わたしは「乱歩らしさ」を感じるのである。たった3作品では統計にもならないが、わたしの感覚では「二銭銅貨」は非常に乱歩らしい作風である。

 

暗号のくだりでは、シャーロック・ホームズやポオのGold bug(黄金虫)などが話題に上る。「一枚の切符」では「和製シャーロック・ホームズ」というような表現があったし、「恐ろしき錯誤」ではポーの「黄金虫」からの引用があった。

 

乱歩の特徴。当たり前すぎて見落としていたが、いわゆる「推理小説」「探偵小説」の系譜にある、ということも大きな特徴であった。個人的には、夢野久作に近いものも感じている。

 

 

図書カード:二銭銅貨

 

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