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本のない書斎/中身のない研究

「独身の貴族」The Adventure of the Noble Bachelor アーサー・コナン・ドイル

 

いわゆる自由気ままな独身貴族、というのでなくて、本当の「貴族」であった。結婚式のあと花嫁が消えてしまったので、依頼人のセント・サイモン卿は正確には既婚者と呼ぶべきかもしれないが。

 

花嫁は自らの意志で姿を消した。サイモン卿との結婚式で、死んだものと思っていた元夫の姿を見つけてしまったためだ。本人たちにとってみればいたって個人的なドラマティックな事情によるものだが、外から見ると難事件のように見える、という構造に乱歩の「D坂の殺人事件」を思い出した。

 

夫が実は生きていたので、彼女は未亡人ではなく既婚者ということになる。当時のイギリスの法律は知らないが、2重に結婚することはできないだろうから、サイモン卿の結婚は無効ということになるのだろうか。だとすればサイモン卿は「独身の貴族」であるから、タイトルは間違っていないということか。

 

 

独身の貴族

 

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