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本のない書斎/中身のない研究

「老人」―『夜の光』 志賀 直哉

 

志賀直哉の作品を読んだ。

今手にしているのは「夜の光」という短編集である。

入手はしづらいが、古書店などで手に入るだろう。 

 

こういった「代表作ではない作品」を後世に残すという意味で青空文庫の果たしている役割は大きい。志賀直哉の場合はまだ著作権が残っており、青空文庫で読むことができないので、今がいちばん谷になっている時期かもしれない。

 

小説の神様とまで言われた志賀直哉だが、現代における知名度では他の作家たちに大きく水をあけられているように思う。太宰との確執(志賀の側はさほど問題にしていなかったようである)が有名だが、現代も愛され読まれ続けているのは志賀よりも太宰の作品である。

 

しかしだからといって志賀の作品を無視するわけにはいかない。「現代も読み継がれる作品を書いた作家たち」というのは、志賀の作品に少なからぬ影響を受けているようだし、芥川龍之介などは志賀を「創作上の理想」としていたという。

 

となれば当然期待も高まる。芥川龍之介をして理想と言わしめる志賀直哉、一体どのような傑作であろうかと読んでみたのだが、なんとも言い難い読了感であった。

 

いつか哀れんだ老人とさほども変わらぬ年になり、死を願うようになる男。これが「簡潔な文体」ということなのだろうか。非常にあっさりとしている。もう少し他の作品も読んでみるつもりでいる。

 

夜の光

夜の光

 

 

 

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