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本のない書斎/中身のない研究

「猫の事務所」 宮沢 賢治

 

再読。猫というモチーフで可愛くデフォルメされているが、描かれるのは職場いじめである。上司までが陰湿ないじめに加担する様はブラック企業をも彷彿とさせる。

 

最後は獅子が登場して事務所の解散を命じる。これはたとえば、上司よりももっとはるかに強いものが現れ成敗する、というようなことなのだろうか。国がブラック企業を罰するような。

 

「みなさんぼくはかま猫に同情します」と言っていた著者であるが、最後は「ぼくは半分獅子に同感です」 と締めくくっている。かま猫には同情するが、獅子の意見に半分は同感できないという、もう半分は何だろうと考えさせる余白のある終わり方をしている。

 

残念ながら、現実では獅子は現れてはくれない。

 

 

図書カード:猫の事務所

 

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