Empty Study

本のない書斎/中身のない研究

「クねずみ」 宮沢 賢治

 

主に「クねずみ」とか「タねずみ」とか「テねずみ」とかのねずみが登場する話。ねずみの世界にもいろいろあるようで、政治や天気の話などしているのが面白い。場所の固有名詞や新聞記事など細かい部分も楽しい。

 

「クねずみ」はその高慢でそねみ深い性格から、暗殺される事態を招いてしまう。暗殺と書いてあるが公開処刑という方がイメージに近い。「クねずみ」はそこへ現れた猫大将によって、猫の家庭教師とするべく連れて行かれる。猫大将は、「猫の事務所」に出てきた獅子のような役割かと思ったのだがそういうわけではなかった。猫大将は猫の子供たちに「先生を食べてはいけないよ」と言うのだが、はたしてクねずみはやはりその性格から猫の子供らを怒らせてしまい、食べられてしまう。

 

性格が悪いとひどい目に遭う、という教訓話の面もあるかもしれないが、ねずみ界の世界観がなかなか面白いので読んでいて楽しい。ラストの台詞は落語のようなきれいなオチである。

 

そこへ猫大将が帰って来て、

「何か習ったか。」とききました。

「ねずみをとることです。」と四ひきがいっしょに答えました。

 

クねずみ

クねずみ

 

 

図書カード:クねずみ

 

アクセスカウンター