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本のない書斎/中身のない研究

「十三時」The Devil in the Belfry エドガー・アラン・ポー

 

森 鷗外訳。

時計とキャベツを信仰する(あえて「信仰」と言って良いと思う)住民たちが独自の生活を営むスピイスブルク市。外の世界は知る価値のないものだと信じて疑わない。

 

ある日ひとりのよそ者がやってきて、役所の時計台を占拠する。彼が12時に13の鐘を鳴らすと、たちまち無秩序が訪れ、スピイスブルク市は混乱に陥ってしまう。原題の直訳は「鐘楼の悪魔」。「平和な村に、ある日突然悪魔が訪れた」というようなイメージだろうか。

 

この出来事は災厄のようにも見えるが、住民たちのもとの暮らしも外から見ればかなり奇妙なものである。しかし住民たちはその世界で幸せに暮らしていた。常識や価値観を考えさせられる作品。

 

ここの住民ほどではないにせよ、我々も時計を頼りに暮らしている。たとえばこれを「宗教」とか「科学」とかに置き換えてみるのは興味深い空想だ。ある日宇宙からよそ者がやってきて、元素記号の周期表を書き換えてしまう、とか。

 

The Devil in the Belfry: By Edgar Allan Poe - Illustrated (English Edition)
 

 

図書カード:十三時

 

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