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本のない書斎/中身のない研究

「オツベルと象」 宮沢 賢治

 

タイトルは聞いたことがあったが、内容は知らなかった。オツベルと象の心温まる交流の物語と勝手に思っていたのだが全然違った。

 

オツベルという男がいる。この男はたくさんの機械を持っていて、たくさんの百姓を働かせている。そこへある日森から象がやってくる。オツベルは象を騙して働かせる。はじめは労働を面白がっていた象も、しだいに扱いがひどくなるのでどんどん弱っていった。

 

ひと月後、象は森の仲間へ手紙を書く。

 

「ぼくはずいぶん眼にあっている。みんなで出てきて助けてくれ。」

 

すると象の大群が押し寄せ、オツベルはピストルで戦おうとするが歯が立たず象の下敷きになり死んでしまう。 象はさびしく笑って川へ入る。

 

「川へ入る」というのはおそらく自殺であろう。ひどい目に遭いつつもオツベルに情があったのかもしれないし、騙されてこのような事態を引き起こした自分が情けなかったのかもしれない。この部分があるので、単純な勧善懲悪ではない、宮沢賢治らしいラストを持った物語になっていると思う。

  

オッベルと象 (画本宮沢賢治)

オッベルと象 (画本宮沢賢治)

 

 

図書カード:オツベルと象

 

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