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本のない書斎/中身のない研究

「インドラの網」 宮沢 賢治

 

現実と紙一重の幻想。「ひかりの素足」のような、宗教色のある作品に感じた。

 

この作品の意味する正確なところはわからないが、夜空の描写はうつくしい。

 

またその桔梗ききょういろのつめたい天盤てんばんには金剛石こんごうせき劈開片へきかいへん青宝玉せいほうぎょくとがった粒やあるいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶きずいしょうのかけらまでごく精巧せいこうのピンセットできちんとひろわれきれいにちりばめられそれはめいめい勝手かって呼吸こきゅうし勝手にぷりぷりふるえました。

 

けれどもそのとき空は天河石てんがせきからあやしい葡萄瑪瑙ぶどうめのういたかわりその天人の翔ける姿すがたをもう私は見ませんでした。

 

「葡萄瑪瑙の板」とは、なんと素晴らしい表現だろう。そうとしか言いようのない色の空が、まるで自分も見たことがあるかのように目に浮かぶ。

 

インドラの網 (角川文庫)

インドラの網 (角川文庫)

 

 

図書カード:インドラの網

 

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