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本のない書斎/中身のない研究

「青銅の魔人」 江戸川 乱歩

 

今回は少年探偵団ではなく、「チンピラ別働隊」というのが活躍する。これはシャーロック・ホームズに登場する子供らに着想を得たもので、作品内にもそのように書いてある。現在「チンピラ」と聞いて思い浮かべるイメージとは違い、彼らは親をなくした浮浪児たちである。生きるためにやむを得ず多少悪いこともしている彼らは、知恵も働き、よく動く。

 

「青銅の魔人」の正体は怪人二十面相である。今回二十面相は、元いた誰かに変装して成り代わるのではなく、初めからその人に成りきっている。戦争から帰ってきた「手塚さん」は、その時点ですでに二十面相だったのだ。トリックなどは子供だましの部分もあるが、長期にわたるかなり計画的な犯行である。

 

二十面相のシリーズは、「バンザーイ」と言って終わることが多いが、戦争孤児という社会問題を取り入れたこの作品では、二十面相の逮捕に尽力したチンピラたちは明智探偵のはからいで学校へ行けるようになったり職業を得たりしてそれぞれ幸せになった、というラストになっている。

 

青銅の魔人 (少年探偵・江戸川乱歩)

青銅の魔人 (少年探偵・江戸川乱歩)

 

 

図書カード:青銅の魔人

 

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