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本のない書斎/中身のない研究

「列車」 太宰 治

 

すでに列車に乗り込んで、出発を待つ時間。

たったの数分間がやけに長く感じる、見送りのときのあの所在無さがよく伝わってくる。あの時間というのは、親しい間柄であってすらどこか気まずいような、どうしようもない時間なのであるが、さして親しいわけでもない間柄ではなおさらである。まして連れて行った妻にとって、見送る相手は初対面であり、似た境遇の彼女であれば適切な言葉をかけてやれるだろうという太宰の期待が裏切られたことについては、そりゃそうだろうというしかない。

 

「太宰治」名ではじめて書かれた作品とのこと。妻や汐田という友人について、かなり遠慮なく書かれている。

 

決定版 太宰治全集〈2〉小説(1)

決定版 太宰治全集〈2〉小説(1)

 

 

図書カード:列車

 

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