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本のない書斎/中身のない研究

「恐怖」 谷崎 潤一郎

 

「私(T氏)」はかつて、「鉄道病」という一種の神経病に悩まされていた。汽車へ乗ることの恐怖はたいへんなもので、徴兵検査を汽車に乗らなくても済む場所で受けるため、わざわざ戸籍を移すほどである。

 

その徴兵検査へ向かうため電車に乗ろうとするが、アルコールの力を借りても恐怖を克服することができない。このままでは検査に間に合わない・・・そこへ友人のKが現れた。Kに促され一緒に電車に乗った。発作は起きなかった。

 

 ひょッとしたら、無事に大阪へ着けるかも知れないと云う安心が、其の時漸く私の胸に芽ざした。

 

おそらくだが谷崎自身のことを書いているのではないかと思う。

 

谷崎潤一郎全集 - 第七巻

谷崎潤一郎全集 - 第七巻

 

 

図書カード:恐怖

 

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