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本のない書斎/中身のない研究

「カインの末裔」 有島 武郎

 

獰猛な欲望と生命力に突き動かされる農夫、仁右衛門。人間に立ちはだかり圧倒する自然の猛威。羊蹄山のふもと北の大地を舞台に描かれた、無知ゆえに罪を犯す主人公の焦がすような生のいとなみ。

(青空文庫の説明より)

 

読み終わってもよくわからなかったので調べてみた。聖書のカインとアベルが根底にあるらしい。

 

 「自己を描出したに外ならない『カインの末裔』」(1919・1『新潮』)で作者自身が述べているように、無知で野性的な主人公仁右衛門が、「生きねばならぬ激しい衝動」に動かされて、農場社会からは疎外され、北海道の過酷な自然とも闘って敗れる「苦しい生活の姿」を描く。主人公には、実際に有島農場で働いていたモデルが確認されているが、作者自身の「生に対する執着」という人間認識を仮託した人物であることは、自註(じちゅう)に明らかである。このほか、聖書に取材した神話的な題名の問題や、農場問題との関係など、多様な側面をもっている。

[山田俊治]『『カインの末裔』(角川文庫)』

 

「野性的」。たしかに主人公は周りを気にせずやりたい放題であった。その結果がこういうことである、ということなのだろう。

 

わびしくて読むのが苦痛だった自然の厳しさにも意味があったようだ。読んでいる間はあまり面白いとは思わなかったのだが、意味を知るとまた違って見えてくる。主人公とその妻が「どこからともなくやってくる」というのも、背景を知ると妙に納得できる。

 

カインの末裔 (角川文庫 緑 29-1)

カインの末裔 (角川文庫 緑 29-1)

 

 

図書カード:カインの末裔

 

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