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本のない書斎/中身のない研究

「三十歳」 坂口 安吾

 

私はもう、矢田津世子に会はなかつた。まる三年後、矢田津世子が、私を訪ねて、現はれるまで。

(「二十七歳」)

 

それから三年後の再会と別れ。

 

三年間、私が夢に描いて恋いこがれていた矢田津世子は、もはや現実の矢田津世子ではなかったのだ。夢の中だけしか存在しない私の一つのアコガレであり、特別なものであった。

 

風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇 (岩波文庫)

風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇 (岩波文庫)

 

 

図書カード:三十歳

 

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