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本のない書斎/中身のない研究

「猿面冠者/『猿面冠者』あとがき」 太宰 治

 

伝聞のような、ちょっと変わった文体。書かれているのはかなり痛い男ではあるのだが笑えない。たくさんの本を読んだが自分では書くことができない。妄想の中では傑作を書いており、世間の反応まで細かに想像しているのだが、いざ原稿用紙を前にすると一行も書けない。過去に書いた作品を読み返し赤面する。参考にと思って開いた本に影響を受けそうになり慌てて閉じる・・・こういう人は現実にたくさんいるだろう。自分にも耳が痛い部分がある。そしてとても太宰っぽい。

 

この選集一つお讀みになれば、太宰といふのはこの十年間、一體どんな事に苦しみ努めて來た作家か、たいていおわかりになれるやうに工夫して編輯した。

(「『猿面冠者』あとがき」より)

 

太宰治作品集: 全278作品を収録 (青猫出版)

太宰治作品集: 全278作品を収録 (青猫出版)

 

 

図書カード:猿面冠者

図書カード:『猿面冠者』あとがき

 

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