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本のない書斎/中身のない研究

「魔術師」 谷崎 潤一郎

 

「私」は恋人と一緒に、魔術師がいるという公園を訪れる。この公園というのがあらゆるものをごった煮にした歓楽街のような様相で、ある意味醜悪である意味美しいような奇怪な場所である。

 

この美しい魔術師は性別も国籍もはっきりせず、したがって「美女」というわけではないのだが、きわめて「悪女」的である。魔術師が犠牲を求めると、観客たちは喜んでその奴隷になる。「私」も恋人の静止を振り切って、魔術師の前へと進む。

 

聖人でも暴君でも詩人でも学者でも、みんなやっぱり「不思議」というものに惹き寄せられる心を持っているのです。

 

美と悪。これを前にして抗えないのはやはり谷崎である。

 

 

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