Empty Study

本のない書斎/中身のない研究

「明治開化 安吾捕物 その二 密室大犯罪」 坂口 安吾

 

「密室大犯罪」 などという大仰で不謹慎なタイトルが素敵である。

 

後半で少しだけ「舞踏会殺人事件」のお梨江が登場する。1話だけの登場人物かと思ったが、シリーズ通してのヒロインなのかもしれない。とはいえあまり活躍するわけではないのだが。

こちらももちろん海舟と虎之介のシーンで終わる。安定感。

 

オレが加助を犯人と見たのは間違っていたが、現場に立ちあっていないのだから、仕方がねえのさ。だが、加助のような人望のある実直者がまま犯人だてえことは、よくあることだから、一度はそこへ目をつけるのを忘れちゃアいけないものだ。部屋にこぼれていた土に曰くがあることはオレがチャンと見ていたことだが、すると犯人は加助か修作かどッちかだということになる。加助にきめてしまったのが、オレのマチガイの元なのさ」
 虎之介は海舟の読みのひろさに益々敬服の念をかため、その心眼の鋭さに舌をまいて、謹聴しているのである。

 

明治開化  安吾捕物帖 (角川文庫)

明治開化 安吾捕物帖 (角川文庫)

 

 

図書カード:明治開化 安吾捕物

 

アクセスカウンター