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本のない書斎/中身のない研究

「如是我聞」 太宰 治

 

有名な「志賀直哉への批判」である。

この人の時代にインターネットがあったら、ということを考えずにはいられない。

きっと面白いことになっただろう。

 

醜い顔の東洋人。けちくさい苦学生。赤毛布あかげっと。オラア、オッタマゲタ。きたない歯。日本には汽車がありますの? 送金延着への絶えざる不安。その憂鬱と屈辱と孤独と、それをどの「洋行者」が書いていたろう。

所詮は、ただうれしいのである。上野の博覧会である。広小路のぎゅうがおいしかったのである。どんな進歩があったろうか。

妙なもので、君たち「洋行者」は、君たちの外国生活にけるみじめさを、隠したがる。いや、隠しているのではなく、それに気づかないのか、もし、そんなだったら話にならぬ。

 

この部分はなかなか身に染みる。

 

太宰治全集〈10〉 (ちくま文庫)

太宰治全集〈10〉 (ちくま文庫)

 

 

図書カード:如是我聞

 

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