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本のない書斎/中身のない研究

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「砕け散るところを見せてあげる」の叙述トリックを詳しく解説します【ネタバレ】

作品紹介 解説(ネタバレあり) 「玻璃」と「俺」の会話(P5~6) 「父さん」と「母さん」と「俺」の話(P7~20) 「清澄」と「玻璃」の話(P21~300) ミスリード 年代の描写 清澄のお父さん あの子は死んだ ここからは誰の話? (P301~309) 再び「俺」の…

語り手は嘘を吐かない【星降り山荘の殺人】ネタバレ感想

なるほどこれは上手い。 たった一言で覆すのではなく、「たった一言でミスリードする」作品です。 感想 閉ざされた山荘での連続殺人、これ以上ないベタな設定。加えて登場人物のキャラが濃い。特徴としては、全てを知っている存在の語り手がときおり登場し、…

エンターテイメント映画を見たような【マリオネットの罠】ネタバレ感想

久しぶりで懐かしささえ覚える赤川次郎。小学生の頃に幽霊シリーズや三毛猫ホームズシリーズなどを読んでいたが、内容はろくに覚えていない。というか、ちゃんと理解して読んでいたのかさえあやしいものである。 赤川次郎といえば軽いタッチでコミカルなイメ…

隠すことで際立つメッセージ【片眼の猿】ネタバレ感想

ハードボイルドな世界観の私立探偵もの。文体はかなり軽く、ライトな娯楽作品。いちばん最初に読んだ叙述トリック作品はおそらくこれだと思う。そうとは知らずに読んだが、あとになって言われてみればたしかに叙述トリックだった。 ※以下、「at Home」と「葉…

散りばめられたあざとさ【葉桜の季節に君を想うということ】ネタバレ感想

最後の「補遺」がたいへん興味深いです。いろんな意味で。ここだけ読んでも面白いと思います。もちろん、小説を読むつもりなら、先に「補遺」を読んではいけません。 叙述トリックのおすすめには必ず名前があがるものの、評価は分かれる問題作。Amazonの評価…

【容疑者Xの献身】は叙述トリックか否か

この有名すぎる作品は6~7年前に読んだものだが、なぜ今更レビューを書くかというと、この本が「叙述トリックのおすすめ作品」に挙げられることが多いからである。この作品が叙述トリックかどうかは意見が分かれるようだ。もちろん、叙述トリック作品であ…

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